' ?> 実行委員コラム | U-20 プログラミング・コンテスト
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実行委員コラム

このコーナーでは、宮本久仁男 委員のコラムを毎週火曜日に掲載していきます(8/31までの全5回)。
実行委員の考え方に触れることで、みなさんが応募への一歩を踏み出すきっかけになればと思います。


■ 第5回 : 予備審査を終えて  (2010.08.31)

この2回、応募や審査に関係ない内容が続いたので、今年度の作品をざっと見せていただいた所感も含めた内容を書いていくことにしましょう。

・・・さる8月27日に、U-20プログラミングコンテストの予備審査が行われました。
今年は全体的に、日程が後ろにずれています(最終審査会が10/1になっています)が、これは、作品を応募される方が「少しでも作品を仕上げるための時間を取れるように」ということを一義に考えた結果だったりします。

予備審査まで残った作品を見ていると、どの作品もよく考えられたものであり、正直「全部受賞でいいじゃない」とか考えたりもしてました。
ただ、実際にそうもできないので、応募いただいたものの一部については、(残念ながら全ての作品に、というわけにはまいりませんが)委員からのコメントがついてます。「ここは良いけど、こうしたらもっとよくなるよ」とかいう内容にしたつもりです。

個別の作品の所感についてはまた別の機会に譲りますが、応募作品の完成度については、年々上がってきてるというのが正直なところです。
年によって傾向が違ってたりしますし、その時々の流行を反映したソフトウェアも出てきています。

今年の最終審査会は10月1日。
どんな作品が受賞の栄誉を勝ち取るのか?もう少々だけお待ちくださいませ。


■ 第4回 : 顔が見える作品 〜印象に残った作品とわかる範囲のその後〜  (2010.08.24)

私自身は、この数年オブザーバや委員として、U-20プロコンにかかわってきてます。
そんな中、「これは」という出来事や思い出深い作品について、少し取り上げてみましょう。

● AKI黒板 Ex (http://www.jipdec.or.jp/archives/project/procon/work/2005/personal_01.html)
これは、平成17年度の最優秀賞(個人)を受賞した作品です。
最初は「なんで黒板?」と思いましたが、これがよくできており、いい大人の集まりである委員(の一部)がこぞって面白がる始末(笑)。
チョークの粉が落ちるさまや線のかすれ具合をはじめとして、とにかく芸が細かく、かといって実用性も高い作品でした。この作品は現在もメンテナンスがされており、作者のWebページで現在も公開されてます。
→ 『akiroom』 http://akiroom.com/freeware/recommend/ake.html

● プログラミング言語 Cyan (http://www.jipdec.or.jp/archives/project/procon/work/2008/personal_03.html)
これは、平成20年度の経済産業大臣賞(個人)を受賞した作品です。
過去にも「Frontier」や「Spinnel」といったプログラミング言語が受賞作品になっていますが、プログラミング言語としてどうあるべき、という作者の哲学を反映した、きわめて面白い作品という印象を持ちました。
本作品の作者は、その後もプログラミング言語に関する研究を続けているようです。また、Cyanも作者のWebページで公開されています。

● 猫の司書さん (http://www.jipdec.or.jp/archives/project/procon/work/2007/group_01.html)
これは、平成19年度の最優秀賞(団体部門)を受賞した作品です。
高校生のクラブ活動の一環で開発されたものですが、驚いたのは、開発にあたって「実際に使う人」を想定し、ヒアリングを行うなどのことを忠実に実施している、というところでした(プロであれば基本ともいえることではありますが)。この年齢にしてそれをやっているところに、「僕もがんばらなきゃ」という反省を密かにした覚えがあります。

他にもいろんな作品が出てきており、毎年驚かされてますが、記憶に残る作品は、その後もその作品がメンテナンスされていたり、作者の活動(顔)が見えたりというものだったりします。
実際、私も何人かの作者の活動は追えてますし、プロコンをきっかけにして、その後のやりとりが続いたりということもあります。そのやりとりの一部は、他のイベントでのやりとりや、セキュリティ&プログラミングキャンプにおける参加者と講師、チュータと講師という間柄に置き換えられたりもしています。

あくまで上記はごく一部の例です。
ただ、U-20プロコンが、あらゆる発展的活動のきっかけになりうる、ということは、アタマの片隅にとどめておいていただければと思います。


■ 第3回 : 「ノートパソコン」 vs 「紙とペン」→「紙とペン」 WIN?  (2010.08.17)

ただいま集計・審査中〜というのがプロコン側の状況だったりします。
とはいえ、審査状況を逐一お伝えするのも芸が無いので、今回は「自分が何か作ったりする時に重宝してるモノ」をお伝えしようかな、と思います。

私は日常的に、どこにいてもプログラムが書けるように、ひととおりのものはいつでも持ち歩くようにしています。
重さにしたら約3kg〜4kgくらい。この中には当然ノートパソコンも含まれます。
ただ、ノートパソコンって意外に不便で、「重い」「バッテリーが切れると使えない」「意外に場所を取る」「高価」と、枚挙にいとまがありません。

じゃあ、その代わりとなるものは何なのか?という話なのですが、ずばり「紙とペン」です。
紙とペンの利点ですが、「軽い」「バッテリーいらず」「(モノによるけど)場所は取らない」「安価」というところでしょう。

もちろん、紙とペンにも欠点はありますが、それらを補って余りある利点があるともいえます。また、パソコンに向かって悩んでいた課題が、紙とペンですらすらと書いていたら解けたというのもあるかと思います(私はそういう経験は何度となくあります)。

日常的にパソコンに向かっている方は、たまには紙とペンを使っていろんなことをやってみる、というようにしてみたら、また新しい発見があるかもしれません。お試しあれ。


■ 第2回 : ラストスパート!&締切厳守!  (2010.08.10)

本稿が掲載されるころには、「締切まであと何日!」という状態になっていることでしょう。

「あと?日しかないから」と思うかもしれませんが、過去の受賞作品を紐解いてみると、開発までの期間はさまざまです。
業務システムさながらに、システム企画・要件定義やお客様ヒアリングを行って、時間をかけてていねいに開発しているものもあれば、「原型は部活動の合宿期間中に作った」というものもあります。

とはいえ、どういう経緯を辿って開発された作品であっても締め切りは同じ。締切前に事務局が作品を受領することで、応募ということになります。
時間は、参加者のみなさんに平等に与えられた資源です。有効に活用して、みなさんのこだわりを詰め込んで、自分(たち)が納得いく作品に仕上げて応募してくださるよう、期待しております。
ただ、こだわりすぎるあまり、「気が付いたら締め切りを過ぎていた」ということがないように気をつけてくださいね。


■ 第1回 : 「自分の欲しいもの」から「外にも見せられるもの」にしてみませんか?  (2010.08.03)

何でもそうですが、コンピュータもその上で動作するソフトウェアも、自分を含めた誰かが作るものです。
ただ、「自分が便利に使ったり、楽しく遊ぶためのソフトウェア」は、最終的には自分しか作れません。世の中を見てみると、「自分が欲しいから作った」というものは、分野や種類を問わず多く見られます。

U-20プログラミングコンテストは、そんな「自分で作ったソフトウェア」を「より多くの人に見てもらう」機会でもあります。
インターネットが普及した現在、そういう機会は容易に求められますが、フィードバックが得られるかどうかは未知数です。本コンテストでは、参加いただいた作品は確実にプロの目を通ります。自分以外の人からフィードバックを得る可能性は高くなります。

「自分が欲しいから作った」ソフトウェアを、「自分だけに閉じたものにしたくない」と思われる方は、(参加資格を満たせばというのはありますが)今がチャンスです。是非、応募を検討してみてください。


宮本久仁男 委員
株式会社NTTデータ 技術開発本部 ITアーキテクチャ&セキュリティ技術センタ所属
使われているものの代表例は、mod_encoding for Apache2
「Xen徹底入門 第2版」(翔泳社、共著)や「欠陥ソフトウェアの経済学 -その高すぎる代償 - 」(オーム社、監訳)など
OSSやセキュリティに関連した著書や寄稿は多数
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