U-22 プログラミング・コンテスト2017

審査員コメント

実行委員

スポンサー企業を中心に構成。U-22 プログラミング・コンテスト全体の運営方法の決定や予算執行等を行います。
また、応募作品の審査を行う審査委員も兼任します。

青野 慶久

実行委員長 青野 慶久

サイボウズ株式会社 代表取締役社長

予想を大きく上回る過去最多334作品の応募を誠にありがとうございました。そして、コンテストをスムーズに運営していただいた事務局や審査員のみなさま、本当にお疲れ様でした。
今年はレベルの高さに加えてジャンルも広く、ゲームあり、言語あり、シミュレータあり、AIあり、モバイルあり、IoTありと、若者の豊かなアイデアが具体的なプログラム作品となって実現されていくことに明るい未来を感じました。 プログラミングの義務教育化が進む中、「自分の作りたいものを作る」というクリエイティブ精神を大事に、引き続き社会を変えるソフトウェア開発に期待しております。来年も楽しみにしています!
芦原 栄登士

芦原 栄登士

株式会社Cygames 取締役CTO

Cygamesは今年初めて実行委員を務めさせていただきましたが、最終審査の16作品のうち、半数がゲーム作品であったことを嬉しく思いました。
また、ゲーム以外の作品も含めて、全体として非常にレベルが高かったと感じています。
「みなさんが考えた、『これはおもしろい!』という感性を見られることを楽しみにしています」とご挨拶しましたが、実際に審査させていただくと、若いみなさんの情熱と技術力、そして発想力に驚かされるばかりでした。
Cygamesは「最高のコンテンツを作る会社」というビジョンを掲げています。
最高を目指し、世界をあっと驚かせるプログラマと、この場でお会いできることを楽しみにしています。
荻原 紀男

荻原 紀男

株式会社豆蔵ホールディングス 代表取締役社長

今年も多くの素晴らしい作品・プレゼンテーションと出会うことができました。
最終審査会後の懇親会では、エントリーされた皆様から、開発における苦労話を沢山うかがうことができました。
その成果物は素晴らしく、「創造力は孤独により作られる」ということを再認識させられた次第です。
環境が良いことは望ましいことですが、頼れるものが何もない、一見不遇に思える状況も、自分が強くなるためには必要な環境なのかもしれません。
来年もそんな「強さ・たくましさ」を持った方々と作品にお会いできるのを楽しみにしています。
武井 千雅子

武井 千雅子

株式会社フォーラムエイト 代表取締役副社長

各世代からの応募数、質ともに上昇する中で、プログラミングの裾野の広がりを実感しつつ、常連校が一次予選前に落選するなど厳しい面もありました。本コンテストがプログラミングの実力を試す貴重な機会として定着していることを実感しています。今回は、狭き門を勝ち抜いてきた作品のみならず、惜しくも選に漏れた作品にもそれぞれ光るものがあり、若い才能が強く感じられる審査会となりました。皆さんには、結果にとらわれず過程を大事にして成長し続け、日本のソフトウェア産業の発展に貢献していただきたいと思います。応募者の皆さんのさらなる挑戦と輝かしい未来に期待しています。
田中 邦裕

田中 邦裕

さくらインターネット株式会社 代表取締役社長

今回も前年度を大きく上回る応募があり、裾野が広がったことで、頂点のレベルが高くなったことを実感します。
小学校においてスポーツと同じようにプログラミングが楽しまれる時代が近づいてきたいま、頂点を決めるU-22プログラミングコンテストの役割は非常に高まってきています。
今後も、レベルの高い作品が応募され続けて、頂点がさらに高まっていくことを心から期待しています。
田中 啓一

田中 啓一

日本事務器株式会社 代表取締役社長 兼 CEO & CIO

今年も、例年にも増して素晴らしい作品の数々に触れることが出来、感動しました。
皆さんの発表の中で、利用者の心理への言及や、関連分野への取材、はたまたプロジェクト運営の工夫などまで盛り込まれており、単にソフトウェア技術の素晴らしさだけでは無いプレゼンに感銘しました。
過去の感想を振り返ってみたら、3年前、小学生の受賞者が出て、まだ22歳までには時間があり無限大の可能性がある、と書いてありました。
まさに、今回、その小学生が、本当に、大きくなって経済産業大臣賞を受賞されたのにも感動しました。それも、その時に想像していた「無限大」を超えたプログラムでです。
ITの技術革新のスピードがとても速く、ついていくのが精一杯の我々大人に比べ、そのスピード以上で成長している姿を生で見させていただき、日本の将来、ひいては人類の将来に希望が持てました。
もう、来年が待ち遠しいです。
水谷 学

水谷 学

ピー・シー・エー株式会社 代表取締役社長

前年を大幅に上回る応募作品数でしたが、秀作ぞろいということもあり、採点で差をつけられず、大変悩みました。
特にゲーム作品は出来栄えの素晴らしさ、ストーリー性の豊かさ、ユニークな発想といった点で感銘を受けました。
電子回路シミュレーションツールの「Circuitor」と「お手軽点字リーダー」には、教育、ESGといった視点での有用性を高く評価しました。
また、自然言語解析の「narratica」、プログラミング言語の「scopion」には、今後の改良次第で大化けするポテンシャルを感じました。
次回も今回のような感動的な力作のご応募をお願いします。
和田 成史

和田 成史

株式会社オービックビジネスコンサルタント 代表取締役社長

本年度は、従来のU-22(22歳以下)に加え、小学生部門もスタートし、例年以上に、数多くの素晴らしい作品に出合うことができました。AIやクラウドなど最新テクノロジに適応したソフトもあり、若い人の情熱と将来性と、可能性を感じました。
これからの時代は、どのような分野であれ、ソフトウェアが、より重要になってくるでしょう。ソフトウェアは、物理的な物とは異なり、無限の可能性があります。
そして、ソフトウェアプログラマーは、頭の中で描いたことを、ソフトウェアを通じて実現できるクリエータなのです。
日本、そして世界に大きな影響を与える、次世代の若い人たちのチャレンジを支援できたことを大変うれしくおもいます。

審査委員(外部有識者)

応募作品の審査を行う実行委員以外の審査委員です。

筧 捷彦

審査委員長 筧 捷彦

早稲田大学 名誉教授
特定非営利活動法人情報オリンピック日本委員会理事長
公益財団法人情報科学国際交流財団理事長

今年のU-22で最終審査会に残ったのは、中学生、高校生、専門学校生、高専生、大学生の個人またはチームの作品であった。その中で経済産業大臣賞を勝ち取ったのは、大学生から1件、高校生から2件、中学生から1件であった。この高校生がいずれも普通科の生徒であったのが印象に残った。プログラミングへの興味が確実に広がっていることを感じた。一方で、なまじ「小学生部門」を設けたことが災いしたのか、小学生がこれらに入らなかったのが残念といえば残念であった。来年に期待したい。
新井 誠

新井 誠

東京電機大学・東洋大学・日本工業大学 非常勤講師

今年度も1次審査から多くの作品を審査させて頂きました。38年前の全国高校生プログラミング・コンテストから始まって、U-20プログラミング・コンテスト、そして4年前からのU-22プログラミング・コンテストへと、毎回すばらしい作品に出会えることを期待して審査にあたりました。その期待は今回も裏切られませんでした。どの作品も「プロダクト」、「テクノロジー」、「アイデア」があふれるすらしい作品であったと大変感動しています。小学生から大学生まで幅広い年齢層の応募者が、年齢に応じた「こんなプログラムあったらいいな!」が叶う内容でした。最終審査の直前まで作品に改善を加へプレゼンに臨んでいた姿は大変すばらしいと思いました。どの作品も発展性に富んだ内容であり、さらにバージョンアップが期待できるものばかりでした。すでに公開された作品もあるようですが、ぜひ作品を公開して、多くの皆さんの要望に応えながら作品をさらに発展させてください。残念ながら最終審査には残らなかったが、今回最も印象に残った作品は、開発の手法とくに文書化がすばらしかったGrowbal Active(神奈川工科大学)の「Gestion」でした。どの作品もほんのわずかな差で入選できなかったと思います。ぜひ来年度も再チャレンジしてください。応募を期待しています。
石戸 奈々子

石戸 奈々子

NPO法人CANVAS理事長・慶應義塾大学准教授

あまりのレベルの高さに感銘を受け、真摯に取り組む姿に心打たれました。
課題を適切に見極める洞察力、独創性溢れる発想力、豊かなデザイン力と高度な技術力、そして共感を得るプレゼン力。
すべてにおいて群を抜いていました。
もう1点驚いたことが、多くの受賞者が「独学」だと回答されていたことです。
いまだかつて誰も経験をしたことがない程目まぐるしく変化する時代を生き抜くのに必要な力は「学び続ける力」です。
その力をすでに手に入れたみなさんがこれからどのような未来社会を築いていくのか楽しみです。
岩谷 徹

岩谷 徹

東京工芸大学 芸術学部 ゲーム学科 教授

経済産業大臣賞(アイデア部門)を受賞した「narratica」は、映画などの脚本を解析し、感性に委ねていた創作部分を客観的に評価・支援しようとする姿勢が極めて挑戦的であり、その裏付けをとっていった数々の行動力には本当に中学生かと驚かされたました。
また、プロ顔負けのグラフィックス技術に思わず感嘆したり、社会の問題を解決していこうとする純粋な気持ちに触れることができたりと、とても嬉しく楽しい時間を過ごすことができました。皆さん、これからも頑張ってください!
江草 陽太

江草 陽太

さくらインターネット株式会社 執行役員 技術本部 副本部長 エンジニア

ゲーム、言語、ツール、アルゴリズム、組み込みと、多種多様な作品をアイデアからコーディングまで幅広い視点で見ることができるという点が、このU-22プログラミング・コンテストの特徴、強みであり、個人的にも私がとても好きな点です。
新卒で社会人になってからご縁があり、今年からは審査員としてこのコンテストに関わらせていただいていることに大変光栄に思っています。
今年も、たくさんのご応募いただき、たくさんのアイデア、たくさんのコードから刺激を受けました。
プログラミング言語は仕様に沿ってしか動かない硬い道具ですが、みなさんの個性で無限の表現ができます。
また次回も、プログラミング言語で表現された作品をたくさんお待ちしております。
シブサワ コウ

シブサワ コウ

ゲームクリエイター

今年も審査委員として参加する機会をいただき、ありがとうございます。若い皆さんの情熱あふれる作品に触れ、クリエイターとしてたくさん刺激を受けました。
私は今、シリーズ最新作『信長の野望・大志』の制作に取り組んでいます。
本作は戦国武将の「志」にスポットを当て、AIのプログラミングを強化して、織田信長や武田信玄といった戦国武将たちの「志」、人間味あふれる熱い想いをゲームの中で感じられるようにしました。
皆さん、「志」を持っていますか?ゲームも「志」次第で展開が変わるように、皆さんの人生もまた、「志」次第で大きく変わっていくことでしょう。ぜひ、大きな志、「大志」を持ってください。皆さんの「大志」がプログラミングを通じて表現され、世の中をより良く、楽しくしてくれる日を心待ちにしています。
高田 寿久

高田 寿久

株式会社フォーラムエイト 執行役員 本社開発マネージャ

多くの素晴らしい作品と出会えたことに感謝を述べたいと思います。
今年は特に、グラフィックにもこだわった個性的な作品が目立ちました。
なかでもゲーム関連では、3Dの詳細な作りこみへのこだわりが伝わってくるソフトウェアが多かったことが印象的でした。一方で、システマティックな作品やデバイス、IoTの活用は、まだまだ少ないように感じました。今後はそういった取り組みや、より社会性を備えた作品の登場にも期待しています。
竹迫 良範

竹迫 良範

高知工業高等専門学校 客員准教授

今年もたくさんの応募作品を見させていただきましたが、多様性に富んだ良い意味で尖った作品が多かったと思います。審査員も若い皆さんの個性を理解し、多様な軸を持って多面的に評価することがより大事になってきています。今年の大臣賞は、プロダクト部門、テクノロジー部門、アイデア部門のそれぞれで非常に尖った作品が表彰されたと思います。特に総合部門は、誰にも負けずに「熱中して」「楽しく」「好きに」自分らしいコンテンツを創り続けていけている姿勢が良かったですね。困っている人を自分のプログラミング能力で助けたい、それとは別に自分が良いと思った作品をとことん突き詰めて作る。どちらも大事です。自らの内発的動機に基づき、楽しみながらプログラミングしている姿が想像できる、そんな情熱溢れる作品を引き続きお待ちしております。
夏野 剛

夏野 剛

慶応義塾大学 政策・メディア研究科 特別招聘教授

本年度のU-22プログラミングコンテストも小学生から大学生に至るまで素晴らしい作品、たくさん応募いただきありがとうございました。本年の特徴として、以前にも増してゲーム作品が多かった事があげられますが、オリジナル言語やさまざまな実用ツール、IoT関連など、時代を反映した多様性も本コンテストの真価だと感じます。プログラミングによって自分の好きな道を究めていく、本コンテストが応募者の皆さんにとってそんなきっかけとなったことを願っています。
藤井 彰人

藤井 彰人

独立行政法人情報処理推進機構 未踏IT人材発掘・育成事業 プロジェクトマネージャー

経済大臣賞を受賞した"Draw Near"には、作品の表面的な完成度の高さだけでなく、ゼロから作り上げたクリエーターの圧倒的な情熱に感動し、"Scopion"には、言語設計だけなく、大人顔負けのモダンな開発環境を駆使してプログラミング言語を作り上げる中学生のスキルに感心しました。確実に昨年よりも全体のレベルが上がっており、今回も楽しく審査させて頂きました。
本年度のU-22プログラミングコンテストでは、高専・コーディング教室出身者以外にも、オープンソース等を通してソフトウェアの知識を素早く吸収し高い技術力を持ちプログラミングに取り組む若い人たちが多数いることを認識させられました。
これからもさらに多くの若者が、本コンテストをきっかけにプログラミングを楽しんでしてくれることを祈っています。
まつもと ゆきひろ

まつもと ゆきひろ

一般財団法人 Rubyアソシエーション 代表理事 理事長

インターネットの普及とオープンソース・ソフトウェアなどで誰でもソフトウェア開発の深い知識と経験が得られるようになった影響で、若い人たちの開発力は過去とは比べ物にならないほど向上しています。U22プロコンでも若い人たちが応募してくるソフトウェアは発想にも実装にも驚かされるばかりです。自分が彼らの年齢だった頃の実力を考えると、彼らがこれから成し遂げるであろうことを想像するとすばらしい未来が期待できます。
彼らが、ソフトウェア開発のもたらす「楽しさ」や「ワクワク感」をいつまでも感じ続けていられるように、環境や社会を整備することが我々先輩たちの責務だと感じました。
宮本 久仁男

宮本 久仁男

セキュリティ・キャンプ実施協議会 企画・実行委員長
株式会社NTTデータ システム技術本部 セキュリティ技術部
情報セキュリティ推進室 NTTDATA-CERT担当

今年の最終審査会、いずれの作品も力作ぞろいでした。
最終審査会に参加し、ここまで残る作品は「やっぱり違う」というように感じるとともに、その中でもさらに高い評価を得た作品には一定の傾向があるように感じました。「きちんと作っている」ことは当然必要として、自分なりに解決すべき課題や表現したい題材を作品に込めた結果、「オリジナリティにあふれている」ものが評価が高いように見えました。
来年は「もう全部、一次審査に進めてもいいと思うよ!」と思わせるくらい、多くのすごい作品を応募いただけることを期待しております。
両角 博之

両角 博之

株式会社オープンストリーム
システムインテグレーション事業部 技術統括

近日公開予定
笹岡 賢二

笹岡 賢二郎

一般社団法人コンピュータソフトウェア協会
専務理事

今年のU-22プログラミングコンテストも3百作品以上と過去最高の応募件数となり、また、小学生部門も創設したことから、昨年以上の盛り上がりだったと思います。昨年から始めたニコニコ動画も3万人以上に視聴され定着した感があります。また、今年の経済産業大臣賞は、中学生1作品、高校生2作品、大学1年生1作品とU-22と言いながら結果的に受賞者が全員20歳未満となったことも、このコンテストの裾野の広がりとレベルアップが着実に進んでいる証かなという気がしています。懇親会では、一昨年大臣賞を受賞された方が挨拶に立ち、情報処理推進機構の未踏事業でスーパークリエーターの認定を受けたことが報告され、今年の受賞者たちにエールを送りました。このコンテストがゴールではなく、受賞者の方々の今後の飛躍の場となってきていることを実感できたことは嬉しい限りですし、今後に大いに期待したいと思います。
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