審査員コメント

実行委員長 青野 慶久 サイボウズ株式会社
代表取締役社長
今回は、今までの伝統を打ち破る大幅な賞金アップと厳しい併願禁止ルールの導入で、何が起きるか不安でしたが、ふたを開けてみれば前回と同等の応募数。多数のご応募を誠にありがとうございました! 今回もJJPCと連携し、小学校から中・高・大学、そして未踏プロジェクトや翌日の企業訪問まで、プログラマーとして可能性を広げていく道筋をお見せできたのではないかと思います。印象に残ったのはスーパー中学生の登場と、一人ひとりの個性的なアイデアの表現。来年もユニークな作品を楽しみにしています!
浦川 伸一 損害保険ジャパン日本興亜株式会社 取締役 常務執行役員
SOMPOシステムズ株式会社 代表取締役社長
令和の時代は、デジタル技術の急速な進展に支えられて社会や産業構造の変革がリードされていきます。若い世代に、そのベースともいえるプログラミングに大いに興味を持っていただき、ゲームなどのアミューズメントにとどまらず、金融やその他の社会インフラにも興味を持っていただけることを期待して、当社は本年度初めてスポンサーに参画することとしました。
そして応募作品とそのプレゼンテーションを拝見して、発想力や課題設定力、それに対する技術的な解決力はわたしたちの想像をはるかに超えるものであり、感銘を受けました。
参加された皆さんが、このコンテストを通じて、当初実現したいと思っていたことがどの程度実現できるのか、あるいはできたのか、強い知的好奇心を持ってこれからも取り組まれることを願っています。そして、プログラミングがこんなにも楽しいものなんだ、ということが実感できたら、是非多くの人たちにその思いを伝えてみてほしいと思います。
佐々木 智也 株式会社デジタルガレージ
執行役員
社長室長 / インキュベーション担当
オープンネットワークラボ推進部長
今年度より実行委員として参加させて頂きましたが、作品への情熱や質の高さに感動しました。
ゲーム作品はもちろん、ゲーム以外にもとても実用的なソリューションやサービス、そして言語まで、バラエティーに富んだ作品で最終審査会はあっという間に終わってしまった感があります。
デジタルガレージが支援するスタートアップは、Who誰の、Pain課題を、Solution解決する、Alternative既存の代替品は?
Timingなぜ今、Market市場規模は?Whyあなたがやる意味は?7項目に明確に答えられるチームです。今取り組まれているプログラミングをベースに、受賞者の方はもちろんご応募いただいたみなさんがいつの日か世の中の課題を解決するサービスや作品を世に出してくれることを期待しています。
荻原 紀男 株式会社豆蔵ホールディングス
代表取締役会長 兼 社長
40回目という節目にふさわしく、大変優れた作品が集まりました。
全体的に作品のレベルが、より向上しているのを実感しました。
そしてみなさんそれぞれ、毎日作品に没頭し、力を注いできたことがわかり、その情熱に圧倒されました。その中でも特に驚かされたのが、15歳の中学生が創ったプログラミング言語作品のレベルの高さです。ふと、自分が15歳の頃は・・・と思い返してしまいました。
来年も驚きの作品に出会えるのを楽しみにしています。
武井 千雅子 株式会社フォーラムエイト
代表取締役副社長
IoT、AI、ビッグデータの活用が急速に進むこの時代に、今回もたくさんの優れた作品が集まったことを頼もしく感じます。
このコンテストは、未来を担う仲間たちのさまざまな視点や創造力に触れ、楽しみながら刺激を受けることのできる、またとない機会になったことでしょう。
社会や技術の変化するスピードが加速している今だからこそ、若い皆さんには、目新しい概念や流行に振り回されることなく本質を見極め、技術を磨いていってほしいと思います。現在フォーラムエイトでは、国産ゲームエンジン「千鳥」のリニューアルを行っています。エンジニアの皆さんがよりクリエイティブで高度な取り組みに活用できるよう拡張を進めていますので、ぜひご期待いただければと思います。
田中 邦裕 さくらインターネット株式会社
代表取締役社長
今年のU-22プロコンは、例年にも増して、刺激的なものとなりました。
大臣賞を取ったBlawnの上原さんは、まさしく天才といえるレベルであり、審査員も視聴者も一致した意見で最高賞となりました。
プログラミングは、作業ではなく創作です。日本においては、工数で管理されがちなプログラミングですが、もともとは楽しんで行う創造的なものであるはずです。それを改めて感じるとともに、応募された若いすべての皆さんが、仕事として楽しくプログラミングを行える会社や職場を作り、業界が変わっていかなければならないと、改めて肝に銘じます。
これからの活躍に心から応援しています。
田中 啓一 日本事務器株式会社
代表取締役社長 兼 CEO
毎年、新しい感動、学び、気付きをもらう大会ですが、今年もとても刺激を受けたコンテストでした。
たとえ個人参加でも、オープンな環境の活用、それも単に情報取得だけでなく、自らのソフトをオープンの土俵に載せている、というお話もあり、アジャイル型の開発形態とも併せて、当たり前になりつつあるのかな、と驚きました。
また、プログラミングそのものの技術力、発想もさることながら、対象分野の研究、熟知度合いがとても高く、ソリューションの本質を感じました。
U-22コンテスト受賞者達が、その後、いろいろなところで活躍しているニュースが続々と入って来る中、今年受賞した方々の今後の活躍のニュース、楽しみに待っています。
水谷 学 ピー・シー・エー株式会社
取締役相談役
40回目となる今年のコンテストは昨年以上に秀逸な作品がノミネートされたと思いました。
発表順1番目のHolodealCityは疑似ホログラムを使ったボードゲームでしたが、映画スターウォーズのレイア姫が助けを請うシーンを連想し、新時代を感じました。2番目のSatellite Travelerは宇宙航行をシミュレートするという作品でしたが、「高校生はすごいね」と感服した次第です。今回もチームで開発されたゲームソフトが多く登場しましたが、どれも完成度が高くハイレベルな競争となりました。そんな中、私は15番目のBlawnと16番目のLOCUSに高い評価を付けました。両者には極めて高いポテンシャルを感じました。
弊社のPCAクラウド賞は4番のFindYourBusDXに提供しました。日常にある不便をソフトウェアで解決する姿勢が素晴らしいと思いました。今後も人を幸せにするソフトウェアを作って欲しいです。
和田 成史 株式会社オービックビジネスコンサルタント
代表取締役社長
本年度も、プログラミングコンテストを通じて、モノづくりの大切さ、素晴らしさを、若い人たちに経験してもらうチャレンジの機会を提供できたことを、大変嬉しく感じています。
最終審査まで残った優秀作品には、時代の変化を適切に捉え、その変化に適応した新しい技術を採用したソフトウェアも多く、変化することを恐れないエネルギーと将来性を感じました。また、惜しくも審査を通過しなかった作品も、モノづくりの楽しさとソフトウェアの可能性は感じることができたと思います。
これから始まる、IoT時代はハードウェア主体からソフトウェア主体へと、大きな変化が起きてゆきます。プログラミングは、アイデアを実現する上で、さらに重要になってゆくことでしょう。このコンテストが、モノづくりを通じて新たな価値を創造し、それを通じて社会に貢献していけるプログラマーの育成の場になることを期待しています。
審査委員長 筧 捷彦 東京通信大学 教授
早稲田大学 名誉教授
特定非営利活動法人情報オリンピック日本委員会 理事長
公益財団法人情報科学国際交流財団 理事長
今年も U-22 の面目躍如たる作品が並びました。中でも、個の力をこれでもかと示す作品が目立ちました。経済産業大臣賞に輝いたのは全て個人の作品でした。その中でも総合でトップになったのが中学生によるプログラミング言語の設計・開発であったのが目を引きます。来年も、また、小学生から22歳までの力による秀でた作品の応募が続くことを期待しています。
新井 誠 東洋大学・日本工業大学・山村学園短期大学
非常勤講師
今年度も1次審査から多くの作品を審査させて頂きました。工業高校情報技術科の教員として40年前から開催されている全国高校生プログラミング・コンテスト(現在も全国情報技術研究会主催で競技形式のコンテストとして継続されています )の時代から関わってきました。U-20プログラミング・コンテスト、そして6年前からのU-22プログラミング・コンテストへと、毎回すばらしい作品に出会えることを期待して審査にあたりました。その期待は今回も裏切られませんでした。応募された作品は「プロダクト」・「テクノロジー」・「アイデア」があふれるすらしい作品でありと大変感動しています。小学生から大学生まで幅広い年齢層の応募者が、年齢に応じた「こんなプログラムあったらいいな!」が叶う内容です。最終審査の直前まで作品に改善を加へプレゼンに臨んでいた姿は大変すばらしいと思いました。特に今回も小・中学生の開発力(プロダクト、テクノロジー、アイデア)とプレゼン力には驚かされました。またどの作品も発展性に富んだ内容であり、さらにバージョンアップが期待できるものばかりでした。すでに公開された作品もあるようですが、ぜひ作品を公開して、多くの皆さんの要望に応えながらさらに作品を発展させてください。どの作品もほんのわずかな差で入選できなかったと思います。ぜひ来年度も再チャレンジしてください。応募を期待しています。
石戸 奈々子 NPO法人CANVAS 理事長
慶應義塾大学 教授
あまりのレベルの高さに圧倒されました。思わず審査を忘れて聞き入ってしまったほど。
今年の特徴は経済産業大臣賞が4人とも個人応募であったことでしょう。突き抜けた「個」の才能のパワーを実感しました。そしてその「才能」とは「没頭する力」ではないでしょうか。全てのプレゼンから、この舞台に到達するまでに乗り越えた数々の障壁と、情熱を注ぎ続けた試行錯誤の軌跡を垣間見ました。
強い「個」がぶつかりあって化学反応を起こした「集団」はもっと強いはず。次回はそんなチームの出現を期待しています。
岩谷 徹 東京工芸大学
芸術学部 ゲーム学科 教授
身の回りの困りごとを解決するソフト、センサやモータ等を用いた工作物、そして新たな提案のプログラミング言語など、応募者の皆さんの着想力と実現に向けての構想力と精密な実装技術に大変驚かされました。ゲームジャンルにおいては、遊びの世界ですのでもう少し「こんなの見たことがない」と言わせるような、常識を飛び越えた発想が欲しかったところです。
皆さんの社会に出てからの活躍が目に浮かび、未来がとても楽しみとなりました。
江草 陽太 さくらインターネット株式会社
執行役員 技術推進統括
今年のU-22プログラミング・コンテストも、たくさんのご応募をいただき、多くの作品に楽しませていただきました。
特に最終審査会に選ばれた制作者の皆さんの作品・発表には、想像をはるかに超えるアイデアや閃きがあり、非常に驚かされました。
ご応募いただいた皆様が、今後もたくさんの作品を制作されるのではないかという印象を強く持ちましたので、益々のご活躍に期待しています。
これからも多くの方に楽しんで作品を作っていただき、ご応募いただけることを楽しみにしています。
五味 史充 SOMPOシステムズ株式会社
執行役員 人材統括本部長
本年度、初めてU-22プログラミングコンテストの審査に参加させていただきました。作品の内容の素晴らしさ、着想力、完成度など、日本の若い世代がこれほどまでに、実力とアピール力を兼ね備えているということに驚くとともに、日本の将来に非常に明るい希望を持つことができました。
表彰された皆さんはもちろん、当コンテストに参加された皆さんの全ての作品に敬意を表しますとともに、今後さらに研鑽を積まれ、日本と世界の発展に寄与していただきたいと思います。
審査に携わることができ、私もとても勉強になりました。有難うございました。
齊藤 康幸 一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会 CEDEC運営委員会 副委員長
株式会社ヘキサドライブ 取締役 / 東京支社長
今年も様々なジャンルの作品が集まり、最終審査会では制作者の想いの詰まった熱いプレゼンテーションが繰り広げられました。
こんな作品が作りたいという作家性の出ているものや、もっとこういうのがあったらいいなというような必要性から生まれた作品。
どれもこだわりを感じられ、甲乙つけがたいハイレベルな選考になりました。
テクノロジーで世界がどんどん楽しく、どんどん便利になってきている今の時代に、若い世代からこれだけのアプローチがあることは将来が楽しみでなりません。
皆さんの今後の活躍を期待しています!
シブサワ・コウ ゲームクリエイター
今年も審査委員として参加する機会をいただき、ありがとうございます。若い皆さんの可能性あふれる作品に、クリエイターとして毎年刺激を受けています。
私は今、『仁王2』の制作に取り組んでいます。『仁王シリーズ』は、日本の戦国時代を舞台にした、「戦国死にゲー」とも呼ばれる、歯応えのある侍アクションゲームです。和風の世界観とコアなアクション性が、特に海外のお客様に大きな支持を受けています。世界中のお客様に喜んでもらおうと、日夜、楽しみながらゲーム開発に熱中しています。
私は、日本発のゲームで、最高の感動をお届けし、世の中に貢献しようと思います。みなさまのプログラミングの力も、世界を変える力があります。是非、日本発となるイノベーションを巻き起こして、よりよい世界の実現に向けて貢献をしてほしいと思います。今後のさらなるご活躍に期待しています!
竹迫 良範 高知工業高等専門学校
客員教授
40周年の歴史のあるプログラミングコンテストですが、今年の一つの特徴として応募時の段階で既にGitHubでソースコードが公開されている作品が増えてきて、受賞作品発表直後にTwitterですぐ話題になり、多くの応援の声をいただきました。最終的に受賞には至りませんでしたが、AIの最新技術を活用した作品もありました。
一番最初のコンテストは1980年だったそうですが、当時のプログラミング言語はCOBOLが主流で、なんと「紙」のソースコードで応募作品の審査していたようです。
時代の変化はありますが、若者達の新しい技術への好奇心と吸収力には毎年驚かされるばかりです。大人達も負けずにデジタル社会への変革に挑戦し続けます。
夏野 剛 慶応義塾大学
政策・メディア研究科 特別招聘教授
U22プログラミングコンテストは、プログラミングに関心をもつ若者・子どもたちにとって本当の意味で「登竜門」です。小学生から専門学校生、大学生に至るまで、自分の熱意と能力を存分にかけた作品が表彰され、表彰されることによってその潜在能力が社会に「可視化」されます。入賞者にはさまざまなチャンスが与えられます。今年もたくさんの優秀な入賞者が可視化され、巣立っていきました。その巣立ちを盛大に祝い、そしてさらに応援していきたいと思います。
久宗 大雅 サイボウズ株式会社
開発本部 コネクト支援チーム
今年も、こちらの予想を上回る多数の力作を目の当たりにさせていただきました。それぞれの作品の細かいこだわりや、試行錯誤の末にたどり着いたことが窺われる創意工夫、他のいろんなことを犠牲にして注ぎ込んだと思われる情熱の痕跡などを拝見していると、つい「U-22」であることを忘れてしまいそうな瞬間が何度もありました。応募頂いたすべての皆さんに感謝いたします。ありがとうございました!
サイボウズ賞の「Blawn」は、そうした作品の中でも特に独創性や将来性が卓越しているということで選ばせて頂きました。素晴らしい作品に出会えたこと、本当に嬉しく思います。おめでとうございます!
藤井 彰人 独立行政法人情報処理推進機構 未踏人材育成・発掘事業 プロジェクトマネージャー
KDDI株式会社 理事 ソリューション事業本部 ソリューション事業企画本部長
重複での応募を制限したにも関わらず、昨年度同様、U-22プログラミング・コンテストに多くの応募が集まり、プログラミングに対する社会的な関心のさらなる高まりが感じられます。
本年も、圧倒的なコード量でうならせる作品から、プログラムで身近な課題をスマートに解決してくれる作品まで多様な応募作品に接することができ、感心しながら楽しく審査をさせていただきました。特に経済産業大臣賞(総合)を受賞した上原さんにはその成長のスピードに驚かされました。新しい時代の新しいプログラマ象なのだろうと思います。
自身の興味や経験した課題を、プログラミングを通して、共有したり解決できたりすることは本当に素晴らしいことだと思います。受賞の有無にかかわらず、U-22 プログラミング・コンテストへのチャレンジは、みなさんの可能性を広げる切っ掛けとなり世界をさらに広げてくれるものになると信じています。
受賞された皆さんだけでなく、IPA未踏プロジェクトへのさらなるチャレンジもお待ちしています!
まつもと ゆきひろ 一般財団法人Rubyアソシエーション
理事長
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宮本 久仁男 情報セキュリティ大学院大学 客員研究員
株式会社NTTデータ 技術革新統括本部 システム技術本部 セキュリティ技術部
情報セキュリティ推進室 NTTDATA-CERT担当
本年度は規約が変わった影響もあってか、応募数は若干減った感はありますが、最終審査まで残った作品のレベルは、これまでよりも高くなりました(!)。
プログラミングにより産み出される価値は多様ですが、その価値を生み出すのはほかならぬプログラミングを行う方々です。「自分にはちょっと…」と思っている方々も、来年応募できるならば、締切まで1年近く時間があります。まずは手を動かしてみてはいかがでしょうか。
今年のU-22プログラミング・コンテストは終わりましたが、来年の開催に向けての活動はすでにスタートしています。私たちは、そんなみなさんのチャレンジを応援してます。
両角 博之 株式会社オープンストリーム
システムインテグレーション事業部 技術統括
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笹岡 賢二郎 CSAJ 専務理事
今年のU-22プログラミングコンテストも406作品と多数の応募がありました。また、前回同様に最終審査会は全国小中学生プログラミング大会(JJPC)も併催され、さらにCSAJプログラミング教育委員会とも連携したProgrammer’s Dayでは、ワークショップやパネル討論などで当日も大いに盛り上がったと思います。また、経済産業大臣賞4作品の内、2作品が小中学生のものでしたが、特に、中学生の方は審査員が何方も認める逸材でした。受賞者は、審査委員会の推薦を受ければ、情報処理推進機構(IPA)の未踏事業において一次審査が免除されるなどの特典も用意されていますので今後の成長に期待したいと思います。