- 個人部門 入選作品
- 最優秀賞『ぽたり de アート』
- 優秀賞『NET. SimSim』(ねっとしむしむ)
- 入賞『わーどでぃれいしょん』
- 入賞『KAITENBO~』(かいてんぼー)
- 入賞『ケータイ菜園』
- 入賞『AT HOME CHILD 目指せクッキングマスター~』
最優秀賞『ぽたり de アート』
作品紹介 | |
---|---|
表彰理由 | 室内外の気温差により曇った窓ガラスに指で落書きをする楽しさをプログラムとして表現したもの。リアルさを追求しており、気温差や湿度により曇り方が変化するほか、窓を水滴が伝う様子や、水滴がレンズとなる様子も表現している。題材が面白いことに加え、リアルさへのこだわり方が素晴らしい。特に、水滴がレンズとなりガラスの向こうの景色が歪みながら反転する様子を実現したことは高く評価できる。 |
作品名 | ぽたり de アート |
制作者 | 「千葉県立一宮商業高等学校 電算部」 千葉県立一宮商業高等学校 情報処理科 3年 佐藤 元気/田中 真純/上林 千音/中村 直翔/ 石井 健太/権田 拓也/大浦 雄祐 |
作品ジャンル | グラフィックスソフト |
作品概要 | ぽたりdeアートは、日常生活で冬の窓ガラスや冷蔵庫から出したペットボトルなどによく見られる「結露」を作り出し、その結露によって絵がかけるグラッフィックスソフトです。結露を作り出す環境を自分で設定し、いろいろな結露を作ることができます。出来上がった結露に絵を描くと、さまざまな形で水滴ができたり、垂れるといった、実際に窓ガラスに絵を書いている感覚に陥ります。 結露を目にすると私たちは無意識のうちに絵を描いてしまいます。「絵を書きたい」と思わせる何かを結露に感じ、それを利用して、今までにない独自性の高いグラフィックスソフトを作ろうと考えました。こんなにも身近に存在する結露ですが、それを芸術にしようという人は今まで誰もいませんでした。そこで私たちは、このPC世界でただの水滴を絵という芸術にまで発展させるべく、このプログラムを作成しました。使っていただく全ての人に、何気ない日常生活で見られるものから感動が生まれるということを、ぜひ体感してほしいです。 |
開発言語、ツール | Microsoft Visual Basic 2005…(開発言語) Paint Shop Pro X…(グラフィックスソフト) DotWork…(アイコン作成ソフト) |
プログラムソースの規模 | 4425行 |
構想から 完成までの期間 |
6ヶ月 |
制作者からのコメント | |
---|---|
こだわりポイント ・独自のアイデア |
PC世界で水を表現することが一番の課題でした。「実物とは程遠い」「機械的だ」と評価されないためにはと考えた時、私たちは本物へ挑戦するしかないと"結露""水滴""動的水滴"の三つに項目を分け、リアルさの追求を目指しました。 はじめに"結露"ですが、現実に結露が発生する環境をプログラムで作り出すことから始まりました。理論的にも、温度や湿度の関係から結露が作り出されるほうがもっとも自然だと考えたからです。「室内温度」「外気温度」「湿度」の設定方法によって、できる結露の濃度が変化し、濃度の違いによって発生する水滴の量、大きさの変化も違ってくるようになっています。また窓ガラスを表現する工夫として、できた結露に絵を描かずにいると水が滴り落ちていきます。ただ白くするだけでなく、ガラスの特性を活かし窓枠の側にはあまり結露が発生しないよう、プログラムを組みました。 次に"水滴"ですが私たちの作り上げた水滴には大きく分けて、三つの特徴があります。一つ目は形です。水滴が窓ガラスをつたって垂れているとき、ただの丸い形ではなく、不規則に形を変えることによって水の質感を表現しています。二つ目にレンズ機能です。水滴を近づいてみると小さく後ろの景色が見えます。水が持つレンズの特性を活かし、水滴が垂れているときに小さく写る景色を作り出しています。最後に三つ目が水滴のゆがみです。水滴はもともと、完全な半球ではなく不規則な形なので、レンズとしてみると写るものがすべてゆがんで見えてしまいます。一番の難関でしたが、独自のアルゴリズムを作り出すことによって可能にできました。 これで私たちの"水滴"は完成です。最後に"動的水滴"ですが、窓ガラスをつたって垂れた水滴の跡を残したり、水滴に写る景色の変化、指先に残る水滴や結露濃度の違いによって垂れる水の量を変化させるなどといった工夫を取り入れ、完成させました 。 |
応募したきっかけ | 伝統ある大きなコンテストであり、電算部という部活動で毎年応募をしているから。このコンテストにとても入選したかったから。 |
プログラム開発歴 | 3年 |
指導者の有無 | 米谷 健治先生 鵜野澤 博先生 学校作成のテキスト: 主要コントロール(Label,TextBox,,,etc)について、主要ステートメント(If文,Do文,,,etc)についての使用例を打ち写し、それを応用した問いを解いていくもの。 Visual Basicで作成されたオープンソースのゲームのコードを写す。など |
どうやって 勉強したか |
今まで自分が触れてきたプログラム(ゲームなど)を自分で再現したり、やってみたいと思ったプログラム(自分の場合オリジナル辞書システム)などを作成し、プログラムソフトの概要をつかむ(コントロールはすべてウィンドウである、プログラミング=変数への代入のように簡潔に考える)ことに注意して学習した。 |
受賞の感想 | U-20プログラミングコンテストに出品すると決めたときから、高度なプログラムを作成したいと思っていました。結露に目をつけたのは、プログラムにすることが難しそうであったということも決定の理由でした。初めはどう実現すればいいかプログラムも浮かばず,このままでできるのかと思った時もありました。それでも、最後までついてきてくれた班員のみんなにはとても感謝しています。このコンテストでの入賞はとても光栄で、自信につながるよい経験になりました。これからも、人を感動させることができる、今までにないプログラムを作っていきたいと思っています。 |
最後に | 受賞後の変化:自分が今まで行ってきたことに対して自信がつき、これからどのようなソフトを作成していけばよいかいろいろ思いつくようになった。今後の課題も持て、受賞にうぬぼれず、それ以上にもっとすごいものを作りたいと力がわいてきました。 |